まみのえ日記

甲冑取材で西岡甲冑甲房へ

2018年8月21日

日本を代表する甲冑師西岡文夫先生、今日も鶴見駅までご送迎下さり、温かくお迎え下さいました。日本武道館の隣に竹中工務店さんが東京オリンピックのために建設中の新道場のホールに100号の武者絵本画作品をお入れすることになり、先月より下絵を制作しています。
公益財団法人日本武道から一般社団法人日本甲冑武具研究保存会の永田会長にご相談くださり、会長からのご紹介で横浜市鶴見区にある西岡甲冑甲房に、時代考証など細やかにご指導いただくことになりました。

本日は鎌倉時代末期の赤糸威大鎧をお弟子さんが着用してくだいました。西岡先生と記念撮影。ちなみにこのお弟子さんは今年の日本武道館のロシア遠征にも高村正彦日本武道館会長らと共に参加され、「ロシアにおける日本年」、「日本におけるロシア年」の開会式に出席、ボリショイ劇場にてプーチン大統領の前で甲冑着初め鏡開き式を披露されたとのこと。貴重な経験をなさっ直後で、きりっとしていらっしゃいました。

甲冑、特に大鎧についてはまだまだ学ばねばならず、完成までの遠い道のりを思いながらも凛として清々しいお心で甲冑を制作していらっしゃる皆様のご姿勢に力をいただき、帰路に着きました。小札を塗る漆の香りに残暑も忘れた、尊い一日でありました。

先立って、渋谷の画材屋ウエマツの上田邦介社長が自らお届けくださった100号の雲肌麻紙張り込みパネルはドーサを引いただけでまだ真っ白。しかし、来年の今頃にはもうそこに大鎧の武者が描かれているのかと、まるでひとごとのように思えるのも、年の功といえるかもしれません。ただただ、あらん限りの力を尽くして、また限界を超えて、超えて超えて、ひたすらに描いていこうと思うばかりです。

西岡先生、皆様、ありがとうございました。本当は厳しく、武張った場所ですのに、みなさん限りなく温かく優しい、西岡甲房は日本武道館と同じく、神聖で、懐深い、有り難い居場所です。そんなことを思いながら、空を仰ぎ、またじっと手を見る、初秋の午後です。

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