「伝えたい日本のこころ」

中江藤樹 母に届けたあかぎれのくすり


中江藤樹 母への薬 - Nakae Toju Medicine for mother




中江藤樹 母に届けたあかぎれのくすり





「伝えたい日本のこころ」第二話は、このお話を選びました。
昔の方は、忍耐力、克己心があったのですね。
克己心とは、
自分を見る目を失わず、体を鍛え、知性を身につけ、
弱い自分、甘い自分に打ち勝っていくことーー
感染者数がさらに増え、本当に大変な日々ですが、
来週も気を引き締め、そして笑顔で参りたいですね。


江戸時代の儒学者・中江藤樹は、幼いころ、近江の両親の元を離れて、米子(鳥取県)のおじいさんのところで勉強していました。
あるとき、お母さんからの便りに「今年は寒いのであかぎれができて困ります」と書いてありました。心配になった藤樹は、山寺にあかぎれに効く薬があるときいて、お母さんにもっていってあげようと思いました。
そして、薬を手に米子から近江まで、雪道を何日も何日もかけて、歩き、米子から遠く離れた近江の小川村の家にたどりつきました。
井戸端で水をくんでいた母は、突然現れた息子の姿に驚きました。
「まあ、どうしてここに」
藤樹は得意気にこたえました。「母上のあかぎれによく効く薬を買ってまいりました」
しかし、それをきいてお母さんは急に厳しい顔になりました。
「藤樹、おまえは家を出るとき、なんといって約束しましたか。立派なひとにならないうちは帰らないといったではありませんか。約束をやぶって、薬をもってきてくれてもお母さんは少しもうれしくありません。すぐにおかえりなさい」
藤樹には、お母さんのいうことがよくわかりましたので、ただうなずいて雪の道を引き返しました。
お母さんの教えにしたがって勉学に励み、立派な学者となった中江藤樹は、その徳望の高さから「近江聖人」と称されるようになり、数々の尊い教えを説き、多くの人々に尊敬される人物となりました。


このおかあさんは、何のためにかわいい我が子、抱きしめたい我が子を
うちに上げることもせず、そのまま引き返させたのでしょうか。

昔の方々はこうしたおはなしから、大切なことを学び、こころを養ったのですね。




一話一絵「伝えたい日本のこころ」&まみのえ日記

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